ブルー・アラゴナイト

お塩のツイート(古っ)が少しばかり注目されまして、普段「いいね」なんて3くらいなのに994になって(なんかびみょーな数字だなw)「ほお」と思ったのですけど、このブログへのアクセスはじぇんじぇん増えない。つまりません。(まあそういうものだ)
まあいいや、ぽちぽちとささやかに行きます。(まあもともとそういうものだろ)


ネットで時々見ます。ブルー・アラゴナイト。えらく美しい色で。しかしわりかし高い。で、お手頃品を見つけてゲット。

いやあ、美しい色です。ちょっとヘミモルファイトとかラリマーに近いかな。


こういう鉱物の色を見つめるというのはやっぱりいいですねえ。「癒される」なんて言葉は使いたくないけど。生という病は癒されることなんかないぞっ。(何言ってんだこいつ)

アラゴナイトはいろんな色を見せる。どういう仕組みで発色しているのかはあまり明らかになっていない。おおむね含まれる不純物によるもので、青は銅だという説もあるけど、よくわからない。いちいち分析しても得にはならないから誰もやらないのでしょう。
同質異形のカルサイトもいろんな色がある。ブルーもあるけれど、カルサイトの青はアラゴナイトの青と何となく違う。ような気がする。

カルサイトの方が少し深い沈んだ感じがする。どういうことかは知らない。

これは前にも上げたブルー・アラゴナイトの磨き石。少し淡いけど美しい。

こやつの真骨頂は透過光。

汎産の石でも至上の美はあるのですね。

ボラサイト

ついでに。というかおまけというか。
エヌズさんで岩塩と瑶崗仙蛍石と一緒に、お安くて持ってない石が出ていたのでゲット。7ミリくらいの小さな結晶。


ボラサイト。なんと1000円。エヌズさんでもたまに安い石は出る。あちきのような貧民にも手が出るようにという優しい心なのでしょう。
Boracite。Mg3(B7O13)Cl。硼酸塩鉱物。方硼石。ほうほう。(……)
あまり大きな結晶にはならないけど、高級品は美しいライトグリーンのものがある。エヌズさんでも美品クラスターがえらく高い値段で出ている。ルースにもなる。
え? ルース? 溶けるんじゃないの? と思ったら、そうではないかも。英語版ウィキペディアさんには
《水には溶けねーよ。(水に溶けるホウ砂 Borax と混同すんじゃねーよ)。》
と書いてある。(おい)
しかし日本語のサイト、たとえばTrekGEOさんには「非常にゆっくり分解」とある。どっちが正しいのか。(実験してみたらどうだい?w)

直方晶系(旧名・斜方晶系)。ピラミッド型や面取りしたサイコロのような結晶が出る。方硼石の方はそこから来たのか。硬度は7~7.5と硬い。主に蒸発岩中に産出。
主なホウ素鉱物についてはこちら。似たような名前に「ハイドロボラサイト Hydroboracite CaMg[B3O4(OH)3]2・3H2O」というのがある。「ペンタハイドロボライト」とか「ハイドロキシルボライト」というのもある。「ボレイト borate」は「ホウ酸塩」のこと。(混ぜっかえすな、自分でわからなくなるぞw)

ところで元素「ホウ素」の「boron」というのは、硼砂を表すアラビア語の buraq ないしペルシャ語の burah に由来するらしい。一字金輪仏頂尊が体現する神秘の一文字真言「ボロン」とはまったく関係ないのですな。つまらん。(何言ってるのかな?)

まあお安い標本ですけど、四角い結晶の形とライトグリーンの色は味わえます。これ、削ったんじゃないよね。
宝くじが当たったら美しいクラスターを買いましょうか。(買わないやつは当たらないよ)

瑶崗仙蛍石

片仮名にするとヤオガンシャン・フローライト。長いね。
このところやたらに出回ってますね。
「ヤオガンシャン」が「瑶崗仙」だとはついこの間まで知らなかった。
瑶ということは「ヤオ族」の地ということでしょう。俄然親近感が湧く。あのあたりの少数民族は、もともと中原南部にいたのが漢人に圧迫されて逃げてきたと言われている。さらに南下してタイなんかにも流入している。おそらく日本にも入ってきて日本人のベースの一つになっているんじゃなかろうか。顔がわりと似ているし。いわゆる「照葉樹林文化」、もち米や発酵食品を重用する文化に属するし。
で、一つ欲しいなと思ってこの前の岩塩と一緒にエヌズミネラルさんヤフオク版で購入。
フローライトは守備範囲ではないし、世には美しい標本が溢れているしで、何か言うべきことがあるわけではないのですけど。(といいつつしゃべるw)

色は地味だけど、なかなか繊細。やっぱり透過光が真骨頂。

階段状の結晶面も美しい。


瑶崗仙は湖南省にある。といってもどのあたりか見当がつかない。
湖南省というのは毛沢東が出た地。といってもそれは北の長江や洞庭湖に近い方で、瑶崗仙はずっと南。
香港の北350キロくらい、桂林の東300キロくらい。といってもまだよくわからん。
どうにも中途半端な内陸の場所。
百度百科によると、

湖南省資興市と宜章県の境界に位置する花崗岩の山で、主峰は海抜1,691メートル、ピラミッド型の山容を呈し、高低差は千メートルを超えます。山頂には5,000畝〔333ha〕の高山草原が広がり、東江湖を360度見渡すことができます。霧氷、氷雪、ツツジなど、四季折々の景色が楽しめます。龍王寺や七仙堂などの古代寺院遺跡や鉱山遺跡も残っており、1914年からタングステン鉱石の採掘が続けられており、中国のタングステン産業発祥の地となっています。
鉱区の面積は23,325平方キロメートルで、主にタングステン、錫、銅などの精鉱を生産しています。》
百度の写真を拝借。すごい独立峰ですね。


同じくフローライトが人気のシャンファーリン(香花嶺)も湖南省南部。やはり透き通った青が美しい蛍石

こちらも花崗岩体らしい。
どうしてあんな中途半端な所に巨大花崗岩塊があるのでしょうかね。まわりは海底堆積岩だとか。古い古い火山の名残? 大陸の地質というのはよくわかりませんね。

石と言っていいのかどうか

ほわ。(変な声を出すでない)
ブルー岩塩のツイートがごくちびっとバズっていてびっくり。
普段のあちきのツイートなんかほとんど見向きもされないのに。(残酷な表現だなw)

「お塩」というのが皆様びっくりされたのでしょうかね。あちきもびっくりですけど。
お塩ですぜ、お塩。(うるさい)
食べられる鉱物。つか食べないと生きていけない鉱物。そんなものがあるものか。(あるんだからしょうがないねえ)
しかし鉱物6000余種といえど、「食べられる石」なんてほかにありますかね。うーん、わかんない。少なくとも「食べ物」である石はないんじゃないか。

つか、そもそも、岩塩というのは「石」か。
鉱物ではある。しかし珪素も酸素も入っていない。常温常圧でもできる。
そんなん「石」と言えるのか。(無体な)
鉱物というのは氷だって鉱物だ。しかしあれを石と言う人はいない。(ちと屁理屈)

同様に「石と言えるのかしら」という鉱物に、蛍石がある。フローライト。CaF2。カルシウムとフッ素だけ。珪素も酸素もない。
いろんな色・姿があって美しいのだけど、常々「これは石だろうか」という思いがあったのです。質感も軽いし。
こんなことを言うとフローライト・ファンにどつかれるでしょうけど。

美しいですね。
しかしなんせカルシウムとフッ素ですぜ。おかしいでしょ。(おかしくはないだろ)

(え?これで終わり?)




ブルー岩塩

お塩なんて買うか?みたいに思っていました。溶けるし、とも。
しかしネットでちょくちょく見る青いハーライトはえらく美しそうなものがある。
ううむ、と思ってエヌズさんのヤフオク版で見てみたら、
《電子準位の不整によって青~青紫色に見える岩塩です。》
とある。プレオクロイズム?
これはちと見てみたいなと思ってゲット。青はけっこう高いけどこれは比較的お手頃ですた。
ニューメキシコ、PCA Mine産。

フローライトと同様で通常の反射光だと地味。しかし透過光だと驚異の変身。青が実に美しい。

そしてふとした角度で赤紫とか薄い水色とかも出る。

ついでに虹なんかも。

いやあ、びっくりです。お塩でしょと高を括っていて失礼。

岩塩。Rock Salt、鉱物名は Halite。
英語では「ハーライト」とも「ヘイライト」とも発音するらしい。どっちかにせいや。(うるせー)
ギリシャ語の「άλς  ハルス=塩」から。気取ってギリシャ語まで遡らずに Saltite とかにしとけばわかりやすかっただろうに。(うるせー)
組成は誰でも知ってる NaCl。と言っても世の中には化学式アレルギーの人がいるらしいから「誰でも」ではないか。化学式アレルギーって変ですね。以前、「天然石業界では化学式を嫌う人がいるからあまり表示しない」という話を聞いたことがある。おかげでずいぶん不便。ネットで石の名前を引いても即座に表示されないことが多い。「ナトリウムとカルシウムを含む硫酸塩鉱物」なんて書かれても逆によくわからん。化学式なんてのは「ああ何が入ってるのね」くらいで受け取っておくだけで数や形は無視すればよろしいのに。(乱暴) それとも石好きの多くの人は組成なんかに興味はないのかな。(君だってろくに覚えてないだろw)

融けやすいというのは、「塩化マグネシウムなどが入っていると潮解性が高くなる」ということらしい。純粋な塩化ナトリウムの結晶だったらそれほど融けやすくはないのかも。パイライトなんかでもそういう話を聞いたことがある。でも日本のような湿気の多いところでは要注意ですな。

岩塩はしばしば美しい色を帯びるけれど、それは混入している硫黄などの不純物のせい。ところが青の色は mindat によると、
《直径2.5~3nmの金属Naナノ粒子に由来する。》
とある。ナトリウムが塩素と結合せずに極小の粒子になっているということか。不純物ではないね。
さらに不思議なのは、
《同様のナノ粒子は、Villiaumite に赤色を与える。》
Villiaumite はフランス人名由来だから「ヴィヨーマイト」が正しい。和名では「ビリオム石」とか書かれるけどそれは間違い。(うざい) 組成は NaF。
なんでこっちでは赤なのか、は Calas, Geisler, American Mineralogist: 106: 838-842 をご参照ください。あちきは今読む気力がない。不思議ですねえ、でいいでしょ。(怠慢) まあ電子軌道が変化してバンドギャップができるからでしょう。(口から出まかせw)

しかし青の中に赤紫が混じるというのはどういうことか。プレオクロイズム? いや、それは「結晶の方位性による」ものだから違うか。わけわからんくて実に楽しい。

まあ、お塩ひとつでもいろいろとあるんですね。

しかし考えてみると「ブルー岩塩」なんて表記はおかしいですな。和洋折衷。「青岩塩」でなぜいけない。(うるせー)

マーシー・アポフィライト

慈悲のアポフィライトって何だよ、と思ったら、mercy じゃなくて marshy でした。
marsh は沼・湿地。沼のようなということらしい。もちろん野名。

クローライトなどで深緑になったアポフィライト。もっとも赤っぽいのもあるらしい。赤沼
インド、マハーラーシュトラ州オーランガバード産。

独特の質感。濁っているからマットなのかと思いきや、表面は魚眼石らしくピカピカと輝く。とても不思議。こんな物質、見たことない。

ぱっと見わあ美しいとはならないけど、面白くて味がある。

アポフィライトはグループ名で、定義はややこしい。
 AB4[Si8O22]X・8H2O
 A = K, Na, NH4, Cs
 B = Ca, Sr
 X = F, OH

メンバーは以下。
 Fluorapophyllite-(Cs) CsCa4(Si8O20)F・8H2O
 Fluorapophyllite-(K) KCa4(Si8O20)(F,OH)・8H2O
 Fluorapophyllite-(Na) NaCa4(Si8O20)F・8H2O
 Fluorapophyllite-(NH4) NH4Ca4(Si8O20)F・8H2O
 Hydroxyapophyllite-(K) KCa4(Si8O20)(OH,F)・8H2O
 Hydroxymcglassonite-(K) KSr4Si8O20(OH)・8H2O

一番多くでるのが Fluorapophyllite-(K)で、単にアポフィライトと言うとこれを指す。

Si8O20 というのがミソかと思いきや、ほかにも十数種あることはある。曲げたり引っ張ったりできる革のような奇妙な石、パリゴルスカイトもそうみたい。

フィロケイ酸塩、つまり平面派で雲母なんかと同じ。しばしばペラペラでピカピカしていて(幼児?) 雲母っぽく見える。クラスターだとえらくキラキラと輝く。
色もなかなか多彩。グリーンが有名で高いけど、オレンジ、レッドなんかもある。
うちのアポ君たち。


これ、初登場のレッド・アポフィライト。なんかお菓子みたいでかわゆい。

オレンジは前にあげた。きらきらと輝いてとっても美しい。

重厚さはないけれど、輝きがとても魅力的な石ですね。お値段も比較的安いし。



ダリネゴルスク産蛍石部分仮晶黄鉄鉱(は?)

Dalnegorsk。ロシア沿海州の都市。石関係では「ダルネゴルスク」と書かれるけれど、「ダリネゴルスク」が正しいらしい。ダリーネ。(……)
かつては清の領土で「野猪河」という名前だったけれど、1860年にロシアが沿海州地域をぶんどった後に中国名由来の「テチューヘ」と改名、その後、中国風地名では泥棒したことがばればれだから(おい)ダリネゴルスクと再改名された。中国は沿海州を盗られたために日本海に出て来られなくなった。中国にとっては実に面白くない話で、ひそかに奪還を企んでいるという説もある。(ほんまかいな) 沿海州ではロシア人人口が激減して中国人人口が激増しているのだとか。こういう人海戦術的侵略というのは厄介ですな。ロシアが居座るのか中国が出張って来るのか、まあ日本にとってはどっちもどっちかな。(まあ、な……つか、余計なこと書くなよ)
一応ユーラシア大陸のへりだから、プレート沈み込みの影響がある地帯。その沖に日本列島があるからちょっとわけわからんことになっているけど、まあおおまかにはそうでしょう。だからマグマ活動があって、いろいろな鉱物が出る。おまけにここの鉱物は奇妙な形をしたものが多いと世界的に有名らしい。
おなじみパーフェクトストーンさんはダリネゴルスク産の鉱物をけっこう扱っていて、あちきもこれまでにもカリ長石ドロマイト付水晶を買っている。
で、今度はこれ。

実にややこしい姿の共生標本。パイライトはきらきらと虹色に輝くけど、地色は不思議な紫。氷砂糖のようなカルサイトが一緒になってる。

ピク8だとこれ以上寄れない。不満。

ネームカードには
《calcite/pyrite perimorph after fluorite. 2nd Sovetskii Mine, Dalnegorsk.》
とある。
perimorph というのは「部分交代」。黄鉄鉱が部分的にフローライトを侵食して交代したということ。つまり「蛍石部分仮晶の黄鉄鉱」。
はあ?ですね。何だよそれ。
まあ確かに小さな粒々の結晶はフローライトとパイライトの混じった感じがある。紫だけれど表面の方がぴかぴかと輝く。

この「仮晶」とか「交代」とかいうの、ほんとにわけわからん。
蛍石はCaF2、パイライトはFeS2。どちらも等軸晶系だけど、組成が全然違うじゃん。
mindat にある結晶構造の図は、こんなん。左が蛍石、右が黄鉄鉱。

似てるような似てないような。どうやってこれが変身するわけ?
ABという鉱物がACになるなら何となくわかるけど、同じ形のままCDになっちゃうってどういうこと?
地中空洞の中にCaとFを含んだ熱水が入ってきて蛍石ができて、その後FeとSを含んだ熱水が入ってきて……というのなら蛍石の横なり上なりに黄鉄鋼ができればいいじゃん。なんでわざわざ蛍石に入り込んでわけのわからんことをするの?
ひょっとしてAB→AC→DCという具合に片っ方ずつ変わっていくなんていうプロセスがあるのかしらね。CaF2 → CaS(Oldhamite) → FeS2 とか。んなわきゃないか。
まあ素人にはわからん。やめ。(無駄な記述w)

わけのわからん、奇妙で魅力的な共生石です。さすがダリネゴルスクさん。